2014年3月24日月曜日

話題の3Dプリンター、どこがすごい?

3Dプリンタは、産業革命の蒸気機関や、コンピュータの発明ぐらいに世界を変えるかもしれないポテンシャルを持っている。

実は、3Dプリンタを発明したのは、日本人。1980年、名古屋市工業研究所に在籍していた小玉秀男氏が、立体図形作成装置に関する特許を出願したのが最初。その後、製造業の世界では実際に使われてきている。

2013年2月に米オバマ大統領が、一般教書演説において「3Dプリンタを活用してアメリカに製造業を呼び戻す」と宣言した。これがきっかけになって、ブームに火がついた。

今や、個人をターゲットにした安価な3Dプリンタは、10万円を切る製品も登場してきている。3Dプリンタには、いくつかの方式があるが、その1つは、糸状の樹脂を融解して積層する熱溶解積層(FDM)方式で、構造はいたって簡単。

最初にコンピュータ上で、作りたい物の3次元の設計図を書いて、3Dプリンタに出力し作成する。積層していくので、内部がいくら複雑でもかまわないのが真骨頂。

よく紹介されるのは、人形フィギュアとか複雑な立体像形だが、設計図を書けるものはなんでも作ることができる。自動車、家電などのメーカーは、製品開発途中の試作として使用している。実際の製品も、素材がプラスチックでよいものなら、航空機の部品でも作れる。

未来を描く映画、スタートレックやザ・フライなどで出てくる「転送装置」というのは、物体や人を一度分子や原子に分解して、他の遠くの場所で再構築して運ぶ方法。これ自体はまだまだ難しい。

しかし、通信販売などで、ほしい商品をネットで選ぶと、今までだと商品を宅急便で送ってもらわないといけないところ、設計図のデジタルファイルが自分のコンピュータに送られてきて、それを使って3Dプリンタで商品が作れるのだから、転送とほとんど同じことができることになる。

実際に値段が50万円くらいのパーソナルの3Dプリンタをみてみたが、精度はまだまだかもしれない。樹脂以外のいろいろな素材が使えるようになってきているので、これからなんでも自宅で作れるようになるかもしれない。「もの作り」が技術を持たない個人でできるようになることで、まったく見たことのない新しい製品が生まれてくる可能性は飛躍的に上がってきているといえる。

写真は、ザ・フライから。

ザ・フライから


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