2014年1月27日月曜日

過剰摂取で死亡も カフェインの功罪

2012年、アメリカでエネルギードリンク「モンスターエナジー」(日本でも販売されている)に含まれる多量のカフェインが原因で14歳の少女が死亡した。最近、遺族らが製造会社を相手に訴えを起こした。

モンスターエナジーには、1缶あたり240mgの多量カフェインが含まれている。少女はこれを2本飲んだという。アメリカでは20年以上前から発売されていて、昨年の売上高は90億ドルと、米国のドリンク市場で最も急成長中のドリンク。このうち10代の若者が売上の1/3を占めている。

カフェインの中毒には、急性と慢性がある。急性中毒は、体重が60kgの人が、1時間以内に390mg以上のカフェインを摂取すると、50%の人が急性中毒の症状を起こすという。カフェインの慢性中毒は1日250mg以上の摂取で起こる。薬事法では1回(1錠)あたりに500mg以上のカフェインを含むものを劇薬に指定している。

飲料品のカフェイン量は、
コーヒー 40~80mg
紅茶 20mg
緑茶 20mg、
玉露 120mg、
ウーロン茶 20mg、
コーラ 30mg
レッドブル 80mg
缶コーヒー 70~160mg (ダイドーブレンドコーヒーで159mg)
栄養ドリンク系1瓶 30~80mg(リポビタンDで50mg)

こうやってみると、缶コーヒーはかなり多量のカフェインを含んでいるといえる。上記の急性中毒の目安をみると、1時間に3缶は危険域ということ。慢性中毒にならないためには一日1本にするのがよいことになる。

カフェインの急性中毒が起こると、不整脈や心臓発作などを引き起こし、死に至るケースもある。子供の場合、一日の目安はさらに減るので注意が必要。

慢性中毒は、神経過敏、睡眠障害、顔面紅潮、頻尿、頻脈などの症状が現れることがある。摂取を中断した場合の離脱症状としては頭痛が一般的。
知り合いのイギリス人はデカフェのコーヒーしか飲まない。実は、西欧人はカフェインへの耐性が無いか低い人が多く、このような人はしばしばコーヒー酔いを起こす。「アメリカン」というのは、薄いコーヒーだが、上記の理由で薄いのかも。


ここまでは、カフェインの問題点。

一方、カフェインには、良い点もある!

カフェインが脳には良いという研究論文が、著名な英科学誌に最近掲載された。

研究チームはまず、ボランティアの被験者73人に、植物、かご、サックスなどの多数の物の画像を見せた。その後、被験者を半数に分け、一方のグループには、濃いエスプレッソコーヒー約2杯分に相当する200ミリグラムのカフェインを、もう一方のグループには、プラセボ(偽薬)を与えた。

翌日に両グループにもう一度、一連の画像を見せた。画像には、前日と同じものの他、前日と微妙に異なる画像も含まれていた。研究チームによると、画像の中から「よく似た」画像を特定する正確度は、カフェインを摂取したグループの方がかなり高かった。適度なカフェインを摂取すると、記憶力が高まることが分かった。

(参考:AFP)





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